① まず結論
「商用利用OK」は、すべての使い方が許可されているという意味ではありません。フォントは「どこに置くか」「誰に渡すか」で必要な許可が変わるので、用途別に確認するクセをつけると安全です。
② たとえ話
レストランの食材ライセンスにたとえると、許可の段階が見えやすくなります。
「自分の店で料理していい」は、自分のPCで制作に使う段階。
「料理としてお客さんに出していい」は、画像・PDF・印刷物など、完成した成果物として見せる段階。
「レシピと材料をセットで渡していい」は、フォントデータを含むテンプレートやアプリを配る段階。
「他のお店にも材料そのものを配っていい」は、フォントファイルを再配布する段階。
同じ「商用可」でも、完成品として見せるだけなのか、フォントデータそのものを渡すのかで意味が変わります。だからフォントでは、「商用利用できるか」だけでなく、「フォントファイルが相手に渡る使い方か」を確認することが大切です。
「商用可」と「全部使い放題」は別の話。
③ 図解で見る
主なフォントライセンスと、確認しておきたいポイント。○=一般的に使いやすい / △=禁止ではないが条件確認が必要 / ×=通常その用途では使わない・別ライセンスが必要。
| ライセンス / 提供形態 | 代表例 | Web表示 | PDF埋め込み | アプリ同梱 | 確認ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| OFL | Noto / Zen / Shippori 系 | ○ | ○ | ○ 条件確認 | 改変時のフォント名、ライセンス文書、再配布条件 |
| Apache 2.0 | 一部のGoogle Fonts系など | ○ | ○ | ○ 条件確認 | 著作権表示、ライセンス文書、NOTICEの扱い |
| IPAフォントライセンス | IPAex Gothic / Mincho | ○ 条件確認 | ○ | ○ 条件確認 | ライセンス文書の同梱、再配布時の表示、派生フォントの扱い |
| Adobe Fonts | Adobe Fontsで提供される各フォント | ○ Adobe埋め込みコード | ○ 条件確認 | × | self-host不可、サーバーインストール不可、サブスク終了時の扱い |
| OS付属フォント | ヒラギノ / 游ゴシックなど | △ ※下記参照 | △ 環境・書き出し条件による | × | フォントファイルを取り出して配布しない。用途ごとのライセンス確認が必要 |
上記はざっくりの目安です。実装・納品の前には必ず公式ライセンスを確認します。OS付属フォントのWeb表示は、CSSで端末内フォントを呼ぶのは可能ですが、フォントファイルをサーバーに置いて配信するのは原則不可です。
④ よくある失敗
OS付属フォントをWebサーバーに置く
Macや
Adobe FontsのWebフォントをself-hostしようとする
Adobe Fontsは
改変したフォントを「自作です」と配布する
OFLは
⑤ 実務ではこう判断する
「Web」「印刷」「PDF配布」「アプリ同梱」を分けて考える
ひとくちに
クライアントワークでは「相手が使う範囲」も含めて確認
自分が
迷ったら、公式ライセンスが確認しやすいGoogle Fonts掲載フォントから選ぶ
初心者の
⑥ 用語メモ
- OFL
- SIL Open Font License。Google Fonts系で多い。商用利用・改変・再配布まで広く許可。
- Apache License
- ソフトウェア由来のライセンス。著作権表示を残せば自由度が高い。
- IPAフォントライセンス
- IPAex系の独自ライセンス。再配布時にライセンス文書の同梱が必要。
- 再配布
- 他の人に渡す行為。アプリ同梱やフォントファイルをWebに置く行為も含まれる。
⑦ 学習後のチェック
- 「商用可」だけで判断しないと決めた
- OFL / Apache / IPA の違いをざっくり言える
- 「Web」「PDF」「アプリ同梱」を分けて考えられる
- 公式ライセンス文書を読む習慣ができた
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